2015年7月13日月曜日

夕焼け


腰の治療に来てくれた友人を見送る車の上に燃えるような雲。
10日ぶりに まっすぐ伸びた腰で外へ出る。


まさに太陽が山の向こうに沈み、
ちょっとこわくなるほどの夕焼けの美しさ、不思議な雲の動き。

灰色と紅がまざったような・・みどりいろを初めて見た、雲のいろ。

風の流れが速いのか
モクモクと、有明山の向こうに並んで消えてゆく雲は、
それぞれがはっきりと動物のかたちをとって、
まるでノアの方舟に急ぐ動物たちみたいだった。


そして 夕陽を見送り終えた
東山の方は不思議生物ぞくぞく現る・・みたいな・・



雲自体にはっきりと意思があるように
感じるような空。


暗くなるまで
久しぶりの空を見ていた。

この世界には
まだ見たこともないようないろや風景がまだまだたくさんあるんだろうな・・

そして
同じ色はひとつもない自然のいろ を 瞬間瞬間 私たちは見ている。






2015年6月30日火曜日

梅雨の晴れ間

ご褒美のような さわやかな風が吹き、
バックミラーに映る山の青さや
信号待ちの風景に 心が躍る。

羽ばたく鳥や太陽を浴びる草木の歓びも運んでくるよう。

纏われていた雲が払われると
雪山だった北アルプスも、
雪渓を残しつつも、あっという間に夏山になっている。



松川村の田んぼの中にある観松院の弥勒菩薩半跏思惟像を拝観した。
厚い扉の奥に
あまりに繊細で美しいその姿・・。
30センチという、目に見える小ささゆえにか
逆に 存在感の大きさを、
時空を超えたひろがり というか ふかみを感じる。

こうした像をつくる 人の心の奥底にあるもの、
それは 美 というものなのか
祈り というものなのか わからないが
ふかいところにある「静謐」に ふれさせてもらった気がする。


そして
山は青く 
川も青く 
青い季節の到来。


2015年6月6日土曜日

ちょうど1週間前の土曜日、
関東にいたので 長く揺れる地震を味わった。
東日本大震災の時ほどではなかったけど、
遠くでまた大きな地震が起こっていることを感じて怖かった。
揺さぶられてるなあって思った。
目に見える部分も
見えない部分も。

ニュースで
日本地図全体に放射状にに震度のマークがついているのを見て
やはり日本全体が揺さぶられているんだなあと感じた。
これまで培われてきた日本人の精神も。


翌日 安曇野へ帰る高速バスを待つ間。

見上げるビルの谷間に

まるで
山頂にいるときのように
雲が生まれ、とても速いスピードで流れてそのカタチを変えてゆくのを見た。


それは
この国を想って・・

この国に 今 生きている大切なひとを想っている、

目には見えなくなった人たちが 
今回の地震だけではなく
この国をギリギリのところで守ってくれている、
支えてくれている
空に描き続けている寄せ書きのように、
おまじないのように見えた。



突然 頭の上がひかったと思ったら、
彩雲ができた。
カタチを変えて
何度も
何度も顕れる。

写真をとる余裕ができるくらいの30分以上の間、
その彩雲を見ていると
亡くなった大切な友達や先祖やカイや・・
あるいは 本の中で出会った人たちが想われてきた。

私にとっての大切なひとたち。
そしてそれは 私だけでなく
全ての人が同じように その人にとっての大切なたちに守られているのだろう。
本人が気づいていても、いなくても。



安曇野に戻ると
小麦も 山の色も あっという間に もう夏の色に変っていた。
うちのまわりでも カッコウが鳴きはじめている。

2015年5月29日金曜日

エゴ




自宅へたどり着くほんの手前
車の窓から
家のまわりが あちらこちらほんわりと白く浮かび上がっている。
あっという間にエゴの花が満開になったのだ。


昼間の真夏のような温度で
一気に開いたのだろう。
そして強すぎた日差しに 少しぐったり気味。


頂いた摘みたての苺は甘酸っぱく・・
私たちのこと想ってくださる方々がこの地にいることも
ありがたく沁みてくる。


林の中を抜けると
エゴの花はもう地面へ。
うちのまわりも またあっという間に真っ白になるのだろう。



2015年5月25日月曜日

5月

いろんなものが一気に芽吹きだす、いちばん輝く季節。

その美しさと勢いに
心躍らされたり
焦らされたり・・

紅い新芽でこの世に登場した紅葉も
今はほとんど新緑に変わり
いつの間にかヤマザクラは咲き、散り、
庭先には白い蕾が目立ち始めている。



ヒトリスズカが終わってフタリシズカ、
そして
頭の上はエゴの花があっという間に蕾を付けている。



近所のリンゴの花はいつの間にか終わってしまっていたけれど
アカシアは今が満開
どこにいても甘い香りを風が運んでくる。

今年巣箱に入ったシジュウカラは
おそらく昨日巣立っていった。


水鏡も少しずつ稲が育ち空を隠してゆく。

そして 
いつも 変わらない山の姿に心落ち着かされる。


2015年5月9日土曜日

水鏡

田植えが始まり
稲が伸びるまでのわずかの時間

水田は

山を 
まわりの建物を

空を
雲を
映す



騒いでいる心を
ふと
鎮めてくれるこの時期の風景。

2015年5月3日日曜日

紅葉


うちのシンボルツリー。
新緑のころに出てくる
「深紅」の新芽に
毎年 はっとさせられる。
その鮮やかさ。



そして 
今年は 春の勢いは 濃く早く、
朝と昼と夕方で
いろがどんどん変わってゆく



その猛烈なスピードに負けないくらい
慌ただしい日々。
桜もゆっくり味わえなかったけど
 
毎日見上げる紅葉の葉は

桜の花びらみたいに
葉を透かしながら
微細な色を変化させて
 
赤が吸い込まれ 黄になってゆくまでの様は
空に赤が吸い込まれてゆくよう・・

これから
黄は黄緑、そして緑に変わる。





紅葉の根元からも 春があふれ出している。